挫折の正体
なぜ、人は続けられないのか?
前回、ホメオスタシス(恒常性)という、今の状態を維持しようとする性質によって、新しく始めたこと、未体験のことが続くと、元に戻ろうとしてしまうため、継続して続けることができなくなることがある、と書きました。
でも、それだけが続けられない理由ではありません。
変化することが、ワクワクして、楽しみに感じられれば、元に戻ろうとする働きを上回り、より楽しい気持ちをもとに変化を起こすことができます。
そう、人間の行動の原動力は感情です。
楽しい、嬉しい、面白いことは、言われなくてもどんどんやっちゃいます。
ダイエットや筋トレを始めて、結果がでなくても、副効果、運動によって気分がよくなる。理想の姿になることがワクワクして興奮している状態が続けばいけるのです。
人間は、心地よい感情を得ようとして、不快な感情を避けようとする性質があります。
青木仁志さんの「一生続ける技術」の本では、心地よい感情を「快適感情」とよび、私たちが感じる、快い感情のことで、喜び、うれしい、楽しい、気持ちい、面白い、美味しいといった心地よい感情をさします。
人間の行動は、必ず目的があって動くようになっており、その目的が「快適感情」で、人間は快適感情に向かって行動する生き物なのだそうです。
青木さんはダイエットを例にして、この快適感情の動きをわかりやすく説明しています。
ダイエットには、大きく分けて二つの快適感情があります。
ひとつは、食べたい であり
もうひとつは スリムになりたい です。
食べたい気持ちいは、いま すぐにえられる快適感情
スリムになりたい気持ちは、ダイエットを続けた未来に達成した時にえられる快適感情です。
ダイエットの成功は、いま すぐに得られる快適感情と未来に得られる快適感情のどちらを選ぶかにかかっており、当然、未来の快適感情を優先した場合のみ成功はできるのです。
だから、気合や根性が足りない続かないのではなく、ダイエット(未来の快適感情をえる)にこだわることができないからです。やせることがそれほど好きではなく、本当はやせることよりも、食べて太ることの方が好きなのです。
別の言い方をすると、「ほかにしたいこと」を優先しているわけで、ほかにしたいことは願望ですから、意思の力で乗り越えようとするのは無謀だと青木さんはいいます。
願望の力は、意思の力より強力だからです。
やせることよりも食べることをに対する願望が強かったともいってもよいかもしれません。
人間は、楽と苦があれば楽を、苦痛と快感があれば快感を選びますが、同じ楽でも目の前の快適感情より将来えられるであろう快適感情感情を選択することはできると、青木さんは提案しています。
それが、自分の中に、将来得られるでであろう快適感情に対してより、強い願望をもつことに鍵があるんだそうです。
いまよりも 未来。ダイエットであれば、ダイエットする意味を見出せれば、未来の快適感情を選べるということになります。
あとは、いかに目の前の喜びよりも、未来に得られるであろう快適感情を選択するか…これがテーマですね。
私は、夜晩酌をしてほろ酔いいい気分になるか、スリムなカッコイイ親父を目指すか、常に葛藤しています。
今のところ、スリムなカッコイイ親父になった時の快適感情よりも、お酒の魅力に負けてますが(笑)